2年前、デフ右側のサイドフランジ軸シールの交換をおこないましたが、最近、左側からもオイル漏れが顕在化しましたので対応することとしました。また、これまで実施していなかったミッションオイルとクラッチフルードの交換も併せておこないました。
■ブレーキフルード: BMW純正DOT4
■ミッションオイル: Mercedes純正ATF MB236.14 1L×2本
■デフサイドフランジ軸シール、Oリング:アフターマーケットパーツ
先ずは、可能な限り高く持ち上げます。
これくらい持ち上げておけば、寝板の高さを加味しても下廻りの作業で困ることはありません。
作業をメインで行ったため詳細に撮影はできていませんが、先ずはミッション下のパネルを外すところから開始します。全て8mmのソケットで作業します。パネルを2つ外すとミッションが見えるようになります。
ちなみに、クラッチホースの取り回しはこんな感じになっています。
クラッチホースも目視にて特に問題ないことを確認。
先ずはクラッチフルードを交換します。ブレーキフルードと共用ですので、クラッチライン内に入っているフルードを入れ替えるイメージでおこないます。かみさんにクラッチを踏んでもらいました。。色的には劣化は見られませんでした。ニップルは7mmのメガネ或いはフレアレンチでおこないます。
続きましてミッションオイルを交換します。先ずはフィラー側のボルトが外せることを確認しました。フィラー側ドレイン側共に17mmのソケットです。
確認できたらドレインを外します。さてこの車両のミッションオイルは何が入っているか、、
だいぶ汚れたギヤオイルでした。。ゲトラグはATF指定。今回はBMW MTF LT-2は高価過ぎて手が出ませんでしたが、同等品質のMercedes ATFでいくこととします。
フィラー側ドレイン側共にストレートネジなので、シールテープを巻いておきます。ドレインを締めてからATFを1.8L入れたところでフィラー口から溢れてきました。既定値通り。
さて、今回の作業の主目的のデフ左側サイドフランジ軸シール・Oリング交換に移行します。
左側は丁度排気系がドライブシャフトの真下を通っているため、排気系をどかさないと作業ができません。しかしとても重いはずの排気系は全てを外さずに、横にどかす方向としました。
とは言え、排気系をどかすためにアンダー廻りの各種ブラケットを取り外す必要があります。
取り外し-1) V字の剛体バー
中央部のボルトはM10で14mmのソケット
両端部のボルトはM12で16mmソケットです。かなりきつく締まっているのでどちらもインパクトでガガッと緩めます。
2) 排気系マウントブラケット+剛体バー
全てM8で13mmのソケットです
3) フロントパイプとの連結を緩めておく
E12のトルクスボルト+アタマ14mmのナットで縫ってあります。取り外す必要はありません。緩めるだけでOKと思います。
4) サイレンサーとの連結を切ります
アタマ13mmのM8ボルト×4本で締まっています。
この状態までくると排気系リア側が落ちますので、キャタのフランジあたりをジャッキで支えてやりながらデフの作業場所から離してあげます。今回はアルミワイヤーでリアブレーキキャリパーに結びつけて逃してやりました。
さて、ようやくドライブシャフトを切り離すことができます。E12トルクスボルト6本を先ずは緩めます。サイドブレーキを掛けた状態で緩めることができますが、位置を動かすために逐一サイドブレーキを落としてドラシャを廻してから再度サイドブレーキをかけるという作業を数回行ってボルトを緩めます。
ドラシャを切り離せたらサイドフランジを抜き取ります。バールでこじると簡単に抜けます。コツは内部のCリングから切り離すために『衝撃で抜く』ことですね。
最後にサイドフランジケースを固定しているアタマ13mmのボルトを外し、プラハン等で叩きながら丁寧にケースを抜き取ります。
摘出したサイドフランジ+ケース
ケースのフッ素Oリングはヘタっていました。断面が角でした。。 軸シールのリップ部は目視では特にダメージは分かりませんでしたが、緊迫力は落ちていたのでしょうね。
ちなみに、深さ方向の軸シールの位置決めがありませんので、軸シールを取り外す前にリップがどの位置にあるかを計測するなり画像を取るなどしておいたほうが賢明です。シール自体はサイドベアリングのアウターレースにあたるまで如何ようにでも入りますので。アウターレース際まで入れてしまうとサイドフランジのシール位置を外してしまってダダ漏れとなりますのでご注意ください。
シール位置を確認したら、私はプレスで抜き差しします。前回と同様に、プジョー106のタイベルテンショナーベアリングが丁度よい治具になるのでこれを使用しています。
先ずは抜いて、
入れます。
ちなみにプジョー106のタイベルテンショナーベアリングです。径がぴったりなのと裏側がツバになっていて、都合が良いのです。。ご参考まで。
表面
裏面
最後にOリングも嵌めてデフに装着します。嵌合はかなりタイトですので、ボルト穴位置を合わせながら少しづつ挿入していきます。私は長めのM8ボルトで位置合わせをしました。このサイドフランジケースは、ベアリングへのオイル流路の関係で位置が決まっている為、必ずマーキングをしておいて間違いのないように組み付けます。
後はサイドフランジを叩き込んでドライブシャフトを装着して完了です。
そうそう、今回、デフケース前方のマウントの状態を確認しました。対策品のゴム品に交換してあり、劣化は見られず。安心しました。
さて、今回の作業で活躍したMVP工具は下記です。同じような作業を予定されている方はこれらを使用すると色々と助かるかと思います。
・E12/E14のストレートメガネ
・13mmラチェットメガネ
・百均アルミワイヤー
・ストレートのピッキングツール
・インパクトレンチ
・バール
※後日追記:ミッションのシフティングも更にスムースになり、調子良い感じです。また、当然ですがデフオイル漏れなきことを確認しました。
■ご参考まで
※現在、33111214144 Oリング(D=90mm/3mm)は通常のECサイトでは欠品の様子。ディーラーなりパーツ屋さん等で探すのが賢明です