2024年8月4日日曜日

BMW MINI R60クロスオーバー DPFの状態確認

 以前より、エンジン警告灯が点灯・消灯を繰り返しており、DPF或いはEGR系へのカーボン堆積だろうと考えていました。いずれ対応しなければいけないことですがこの9月に車検を迎えるにあたり警告灯点灯では車検が通らないため、今回、フェイル内容(DTC)の確認と警告灯の消灯も含めた対応のためにBimmerLinkを導入してみました。

Meter Pannel

必要なものは下記になります。

  • スマホ:iPhone/Android
  • Bimmerlinkアプリ:Bimmerlink (iPhone用:6,000yen)
  • OBDアダプタ:Bimmerlink認証アダプタ (一番下の ご参考まで の項をご確認ください)
当方は、将来的に乗るかも知れない車両も最低限対応する下記をコストとのバランスから選択しました。
  • Veepeak OBDCheck BLE+ 
Figure of OBD Adopter

Figure of OBD Adopter

設置はOBDポートへ
Position of ODB Port


早速、Bimmerlinkを購入。エンジン警告灯が点灯している状態で車両と接続して先ずはDTCを確認します。スピーカー配線の断線やリアデフォッガーの断線?などの身に覚えのない車両系のDTCが5つと、主眼であるエンジンのDTCが1つ立っていました。
Screenshot-1

先に進むと、
Screenshot-2

EGR系へのカーボン堆積によるDTC(狙いのEGR率に制御できない)のようです。
DPFのつまりのDTCが無いことが不思議でしたが。。

ここでDPFの状態を確認します。
「DPFへのすすの堆積量」は4.17gと極めて少なく、取り出し不能のオイルが燃えた際に発生する金属類_「DPFのオイルアッシュの堆積質量」は29.13gと走行距離の割に並かなというところでした。11万km走行した車両として特にDPFに問題を抱えているようには思えません。
Screenshot-3


これはアイドルでのスクショですが、「DPF前の排気圧」は絶対圧で大気圧1.00barでありDPFのつまり具合を表す「DPF前後差圧」は10mbarであり、基準内にあります。
ちなみに基準は下記となっています。

■BMWのDPF前排気圧基準:
  • 最大許容値@IDLE:1.035bar
  • 最大許容値@2000rpm:1.075bar
  • 最大許容値@カットオフ回転数:1.200bar

Screenshot-4


更に見ると、「最後に成功したDPF再生からの距離」は3kmで、且つ、「最後に正常に再生されてからの稼働時間」が0hrということですから、自動DPF再生がつい近々に行われたことを示しています。この時点でDPFへのすす堆積量が少ない理由はそういうことと理解しました。
また、下の画像では上側が切れていますが、「平均再生間隔」は214kmということで、この程度の距離ごとに定期的にDPF自動再生を行っていることが確認できました。

ということで、DPFについては心配する必要がないと判断しました。。
Screenshot-5


後日、休日に半日300km弱のドライブにいきました。その後にDPFの状態を確認した画像が下になります。
いきなりすすの量が跳ね上がっていました。。
Screenshot-6


下の絵にあるように、前述したDPF自動再生からは10hrs276kmが経過していますが、この間、DPF再生は行われていません。ですので、この300km弱の走行で4.17g ⇒ 34.90gまですすが堆積することが確認できました。大変な量です。。
Screenshot-7


この時のDTCを確認すると、今度はEGR系にDPF系もフェイルが立っていました。
まあそうでしょうね。。これまで11万kmこれを繰り返してきたのでしょう。また点灯するはずですが、一旦、DTCを消去しておきます。
Screenshot-8


気を取り直して、、
平均214km走行でDPF自動再生が行われるのであれば近いうちにあるだろうということで、走行時にBimmerlinkにて各パラメータを計測してみました。ラッキーなことに、最初の走行でDPF自動再生に入った模様を計測できました。(Fig.1)
5Hz程度のサンプリング周波数での計測結果となります。DataはCSVですのでExcelにてグラフ化しました。DPF再生モードでは排気ガス温度を積極的に上げており、同時に時間の経過とともにDPFのすす量が燃焼により急速に減量していることが良く解ります。今回は走行距離が短く、10分程度で停車したため、実行条件を外れた為かDPF再生モードが途中で終わってしまったようで、まだ12g程度のすすが残っているようです。前回の自動再生では4gまで減量していたことから、やはりある程度走り続ける必要がありますね。その意味で高速がベストと云えます。
Bimmerlinkは手動で強制的にDPF再生モードに入れることができますので、次回、減量していないようでしたら手動で試してみたいと思います。
ちなみに、燃えないオイルアッシュ量は不変であることも見てとれますね。
BimmerlinkのモニターパラメータはBMW開発者が扱っているパラメータの多くを見ることができ、たいしたものと感心しています。

transition of carbon deposition


さて、
すすの詰まり状態の最悪のことを考え、WAKO'S Diesel2 を購入しDPF強制再生で煤を焼き切るつもりでいましたが、その必要も無いようですので無駄な出費となってしまいました。ただ、DPFにとっては熱的に負荷が高いため、なるべく強制再生はしたくなかったのでこれで良しということで納得しています。

Appearance of WAKO'S DIESEL2


R60車両で皆さんがWAKO'S Diesel2やその他のケミカルですす焼き切りを行う場合には、その投入口は二つありますので紹介しておきます。

当該エンジンの排気システムは【前段_酸化触媒+後段_DPF】というものですので、2か所から投入すると良いかと思います。少なくとも目的はDPFのすす焼き切りですから、後段を主眼とすべきですね。
 

①前段_酸化触媒前排ガス温度センサーボス: 温度センサーを外し、その穴から投入
The position of temperature sensor on Oxidation Catalyst


使用する工具は14mmのクロウフットを使うと良いと思います。(このまま緩めて廻すと配線が捩れて切れますので、カプラーを外して配線をフリーにしておいてください)
The tool for remove temperature sensor


②後段_DPF前排ガス温度センサーボス: 温度センサーを外し、その穴から投入
The position of temperature sensor on DPF

The tool for remove temperature sensor

WAKO'S等のケミカルでの実施方法としては、下記フローをイメージていました。
  1. 冷間時にケミカルの注入
  2. しばらく放置(当方は2時間放置のつもりでした)
  3. 始動させ暖機がてら高速入口まで走行
  4. 頃合いを見てDPF強制再生させ暫し走行
※ケミカルで焼き切りを行う場合には、Bimmerlinkのような強制再生モードに入れることができるツールは必須と考えます。是非、ご準備ください。


今回、EGR・排気システムの現状を確認できました。DPFは一旦OKとしても、EGR系の清掃はいずれ必須になってくると思います。折を見て対応の仕方を考えたいと思っています。

しかしながら今回、ディーゼルの効率の良さを改めて排気ガス温度から感じることができました。ガソリンの感覚からすると異次元の熱効率です。脱帽。。


■ご参考まで:



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