2024年9月8日日曜日

BMW MINI R60クロスオーバー EGRバルブ交換

BMW MINI R60クロスオーバーのEGRバルブを交換することにしました。前回の記事にも書いたように、これまでエンジン警告灯ランプ点灯が頻発していおりました。その主原因は、EGR経路にありましたが、漠然としていて単なるカーボン詰まりなのか、ハードの故障なのか判別できていませんでした。

Screenshot of Bimmerlink-1


bimmerlinkを購入してから、走行時にはEGRバルブの動きを目視していましたが、ここにきて、Fig.1のように突如としてバルブが作動しなくなり、且つ、フェイルがもう一つ追加される状態にあることを確認しました。
Graph of ENG valve movement during running

Screenshot of Bimmerlink-2


英語表記にしてしまっていますが、、EGRバルブの制御に問題あり設定閾値を超えているとのこと。
この場合は、bimmerlinkでこのフェイルを消去すると再度EGRバルブは作動を開始しますが、2分と保てずに作動停止しエンジン警告灯が点灯するようになりました。
突然死ですので、これはバルブ内部のカーボンによる引っかかり等の不具合であろうと推察し、EGRバルブ交換をおこないました。

購入したのは、純正と同じpierburg製の新品。メルカリで安く入手。

Drawing of R60 EGR system

純正品番:11718513132
Box of Pierburg EGR valve

Appearance of EGR valve

バルブの交換自体は大した作業ではありませんが注意事項があります。

エアクリーナーケースとエアフローセンサーカプラーを外して、

Disassembled Air cleaner box

吸気ダクトを外します。
Disassembled induction duct

するとEGRクーラーとバルブが見えるようになります。
Appearance of EGR Cooler system

EGRバルブはT25?T30?(どちらだったか忘れました。。)2本で留まっていますので、これを外し、同時にカプラーと水ホースを2本外せば取り出せます。水ホースバンドは純正ではカシメてありますから、破壊して取り外します。(取り付け時は別途準備した適当なホースバンドを装着します)
Disassembling EGR valve


Pierbrug製の新旧比較。モーターケースの色が少し異なるだけで全く同じ物。
Comparison of Old and New

EGR valve with carbon

New EGR valve

取り付けはこの逆の手順ですが、注意事項があります。バルブの傘は傘側から押し込んでも動きません。中にカムが設定されており、モーター側による駆動でのみ傘の出し入れの動作が可能となります。全閉時には、バルブ傘がきちんとEGR経路を塞ぐ必要がありますが、部品の公差バラツキを考えた際、イニシャルの突き出し量が多い製品の場合では、そのまま組んでしまうと傘がバルブ経路に接触したまま無理やり押し込まれることになり、最悪、内部のカム部分が破壊されてしまいます。

3D drawing of EGR valve-1
出典:https://www.youtube.com/watch?v=Ot4eT1vBums

Drawing of EGR valve inside
出典:https://www.youtube.com/watch?v=Ot4eT1vBums

broken EGR valve cam
出典:https://www.youtube.com/watch?v=Ot4eT1vBums

これを防ぐために、ディーラーでは、ISTAで10%程度バルブを上げた状態で組み付けるという工程を踏みます。(https://www.youtube.com/watch?v=Ot4eT1vBums を参照ください)

しかしながら、当方はISTAを持っていませんので、苦肉の策として、EGRバルブのモーター部を外した状態でバルブを手で上げつつで車輛に組み付け、その後にモーター部を取り付けるという手法をとりました。

モーター部は、ヘキサ(6角)ではなくペンタ(5角)のトルクスT20で留まっています。

pentagon bolt

黒いギヤを動かしてやるとバルブは動作しますので、手でバルブを少し上げた状態で車輛に組み付けた後、モーター部を組み付けます。
Disassembled EGR valve motor section

まだ終わりません。このままでは、取り外す前のEGRバルブのバルブ位置(ポジションセンサー出力)を学習していますから、そのままですと下記のフェイルが立ちます。

Screenshot of bimmerlink fault codes

まともに動かすためには、ISTAやその他ツールを使用して以前のバルブポジションの学習値をリセットさせる必要があります。(ついでにEGR開度_全閉全開位置とEGRレベルの再学習も必要)bimmerlinkがこれらのことを全てできれば最高なのですが、制御値モニターとフェイル消去の機能しかないため、仕方なくこの部分だけ時々お世話になっているお店にやっていただきました

その後、消してしまったその他の学習項目を走り回って再学習させます。すべて完了した際の走行時のEGRバルブの動きをFig.2に示しておきます。見難いですが、狙いの制御値に実働が正常についていっていることが見て取れます。

Graph of EGR valve normal movement in driving

最後にフェイルが立っていないことを確認して終了です。

Screenshot of bimmerlink non fault codes


ちなみに、
取り外した純正のEGRバルブを分解して動きを確認しました。恐らくバルブシャフトとガイドの間にカーボンが詰まっており、全開時に戻りが悪い時がありました。恐らくこれが不具合を引き起こした原因と観ています。しっかり清掃したら渋さもなくなり、スムースに動くようになりました。可動部にモリブデングリースを塗布しておきました。今後は新品と交換しなくても清掃だけで修理できるような気がしますので予備として持っておきたいと思います。
inside of egr  valve

figure of egr valve


■ご参考まで



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