2025年5月6日火曜日

BMW MINI R60クロスオーバー EGRクーラーとインマニのカーボン除去 エラーコード4862ストアと警告灯点灯への恒久対応

 昨年の秋口にEGRバルブの作動不良によりバルブ自体を交換(詳細はリンク先へ)し、その後は暫く快調に走っていましたが、エラーコード4862の「EGRマスフロー妥当性」が立ち始めました。EGR経路のカーボン詰まりが限度を超えているということですが、エラーをbimmerlinkで消しながらも様子を見てきました。しかし、ここにきてエンジンチェックランプも点灯し始めましたので、重い腰を上げてEGRクーラーとインマニ廻りのカーボン除去をおこなうことにしました。

2015年式のこの車両は、2020年前後にリコールでEGRクーラーの交換がされているはずなのですが(当方購入は2023年7月)、クリーンディーゼルの宿命でどうにも短命ですね。この車両の場合はもって4~5年というところのようです。今後も掃除しながら乗り続けることになりますね。

このEGR経路清掃はお店に頼むと20〜30万というのが相場のようですので『自分でやる』の一択です。。


screenshot of bimmerlink

エンジンチェックランプの点灯が頻発
warning lamp of engine fault

大したものは必要ありませんが、事前準備物としては下記でしょうか。

■事前準備品:

  • EGRクーラー前後ガスケット (11718579364・11618571005)
  • EGRクーラー上部冷却水ホースの汎用バンド
  • EGRクーラー背面のシリンダーヘッド水通路接合部とのジョイント(11717799853)
  • BMW冷却水少々(冷却水は抜かずに済みます。ほとんど漏れません)
  • カーボン洗浄剤サンエスメタルクリーンα

■作業内容:総作業時間 1.5days
  1. エアクリボックス取り外し
  2. インテークダクト取り外し
  3. EGRバルブ取り外し
  4. DMEとDMEケースの取り外し
  5. T/C~インタークーラー間ターボインテークパイプ取り外し
  6. インマニ設置の電子部品のカプラー切り離し
  7. EGRクーラーとインマニ切り離し
  8. インマニとスロットルバルブ切り離し
  9. インマニ取り外し
  10. EGRクーラー取り外し
  11. EGRクーラー・インマニのカーボン除去
  12. 上記の逆工程で組み付けて完了
figure of engine room


1. 2. エアクリボックス、インテークダクトの取り外し

使用工具:プラスドライバー 6mmソケット マイナスドライバー
難易度:易
after disassembled air cleaner box

ダクトは11のスプリングクリップを引けばワンタッチで外れます。この際、下記12も同時に外してダクトを引き抜きます。
drawing of air cleaner box and so on

3. EGRバルブ取り外し(詳細はココをご参照ください)

使用工具:T25トルクスソケット
難易度:易
備考:EGRバルブの冷却水ホースバンドをカシメを壊して取り外します

半年強でそれなりのカーボン堆積量
expansion figure of egr valve assy


4. DMEとDMEケースの取り外し

使用工具:10mmソケット
難易度:易
備考:次のターボパイプを取り外すために恐らく必要なので外せるものは外します。必ずバッテリーマイナス端子を外してから作業のこと。

Drawing of DME UNIT CASE


5. T/C~インタークーラー間ターボインテークパイプ取り外し

使用工具:マイナスドライバー (パイプ両端のクリップ外し用)
難易度:難
備考:これが今回の作業の中でワースト3に入るもの。すべてが一体物となっているパイプであり、大きな知恵の輪と化す。取り外しと取り付けにはかなり工夫を要する。バンドはステン製だが継ぎ目がなく、外すには切り落とすしかない。部品も一体物として出る。サービス性をまるで考えておらず、ドイツ人の気質を疑う。。
ジャッキアップし、アンダーカバーを外してからインタークーラー入口ジョイントを外す必要あり。

巨大な知恵の輪。簡単には抜けません。冷却水アッパーや周辺の配線等にダメージを与えないように注意しながら。
figure of struggling with turbo pipe


異様な光景。しかしこのアングルを取らないと抜けませんでした。。
figure of struggling with turbo pipe

あと少し。
figure of struggling with turbo pipe

漸く出現。。こんな作り方しないでよ。BMWさん。。
ステンバンドを切ってゴムのダクト部分を切り離せばもっと楽に作業ができるはず。今回はこのまま組みますが。
the whole picture of too long turbo pipe


ASSYでしか部品は出ない図
the drawing of turbo pipe and so on



6.  インマニ設置の電子部品のカプラー切り離し

使用工具:なし
難易度:易
備考:カプラーのストッパーをずらしてからつまんで引き抜く

the figure of disassembled electrical devices connectors


7.  EGRクーラーとインマニ切り離し

使用工具:10mmソケット
難易度:易
備考:特になし

画像中央のEGRクーラー出口ガス温度センサーボス内にカーボンがコテコテ付着。このボスから内視鏡を入れてEGRクーラーのつまり状況を目視確認するようである。次回からはそうしてみよう。
the expansion figure of the joint with egr cooler and intake manihold


8.  インマニとスロットルバルブ切り離し

使用工具:T25ソケット
難易度:易
備考:特になし

スロットル等は清掃のみでそのままにしておきます。
Throttle valve

the drawing of intake manihold and so on


9.  インマニ取り外し

使用工具:10mmソケット・トルクスT25ソケット
難易度:易
備考:インマニはサブタンク側にずらしながら抜くが、配線類はひたすら邪魔をするので慎重に


M8ボルト5本でシリンダーヘッドに固定されています。
the expansion figure of intake manihold

the expansion figure of intake manihold


取り出したインマニ。
the whole picture of intakemanihold

オイリーなカーボンデポジット。想定よりは少ない。オイル消費が悪いのでオイリーなのだと考えます。
the expansion figure of intake manihold ports

EGRアウトレット側はさすがに硬いカーボンデポジット
The expansion figure of EGR inlet port

吸気ポート内部も想定よりはかなり少なめでオイリー。上手く写っていませんがバルブステムへの堆積もそう多くありませんでした。今回はポート内は触らず、合わせ面だけの清掃とします。

The whole picture of cylinderhead's inlet ports


#1
the expansion figure of inlet ports#1

#2#3
the expansion figure of inlet ports#2#3

#4
the expansion figure of inlet ports#4


10. EGRクーラー取り外し

使用工具:T45ソケット・T45レンチ・手鏡
難易度:中難
備考:とにかく狭いため、適切な工具が入らないのでいろいろと工夫が必要。特にEGRクーラー本体下のT45ボルトと奥のエキマニとの連結部のT45ボルトについてはかなり時間を要する。EGRクーラー下ボルトは目視不能なため、手鏡を使って目視しながら工具を入れてゆく必要があります。また、右側の冷却水ホース類が邪魔をするので、紐で吊るなりでしてどかして工具を入れる空間を作っておく必要もあります。


EGRクーラー本体とシリンダーヘッドとはT45ボルト3本でていけつされており、EGRガスインレット側フランジもT45ボルト2本で締結されています。

The Drawing of EGR COOLER UNIT



EGRインレット締結ボルト2本の対応が結構面倒。特に奥のボルトはソケットを入れる隙が無いため、下の画像のようなL字のトルクスレンチが有効。かなりタイトに締まっていますのでそれなりに工夫は必要です。ちなみに、ターボとの間にインシュレータがありますが、EGRクーラー本体にM6ボルトで固定されていますのでこれも忘れずに外しておきます。
the expansion figure of EGR inlet port

The situation of torques wrenchs


摘出したEGRクーラー
the whole picture of EGR COOLER

出口側。カーボンで詰まりまくっています。。これではガスは流れませんね。
The expansion figure of EGR COOLER inside

やはりクーラー自体はリコール品。寿命5年でした。。
Parts NO. of EGR COOLER


11.  EGRクーラー・インマニのカーボン除去

使用工具:サンエス メタルクリーンα
難易度:易
備考:当方はクリアケースに20Lの熱湯と長年信頼しているメタルクリーンをひと箱入れて混ぜ、ラフにカーボンを手工具で搔き出したインマニとEGRクーラーをどぶ付けします。入れた後には80℃程度に下がっていると想定し、樹脂部品のインマニは40分程度、EGRクーラーは2.5時間浸けました。

Readiness of EGR COOLER cleaning


あっという間に真っ黒の液体に。。EGRバイパスバルブのアクチュエータが外せなかったので、負圧ホースを指す部分をブラインドして中に洗浄剤が入らないようにして浸けています。
under cleaning of EGR COOLER and Intake manihold


ひと風呂浴びてブラシでゴシゴシ、、最高に綺麗になりました。。
Cleaned intakemanihold

内部も綺麗になりました
The expansion figure of Intake manihold inside


コテコテに付いていたドライなカーボンデポジットも一掃できました。
The joint part of EGR system


EGRクーラーも目詰まりゼロ。片側から口で吹いても反対側から出てきているのが分かります。
The expansion figure of cleaned EGR COOLER inside

エアブローしてしっかり乾かしてから、ホース類等の組付けて搭載準備完了。ひと風呂浴びて新品のようになりました。。
The whole picture of cleaned EGR COOLER

EGRクーラー本体とシリンダーヘッドとの冷却水連結ジョイント(11717799853)
The joint part of coolant passway


12.  組付け

使用工具:T20ソケット(EGRバルブモーター駆動部取り外し用)
難易度:易~難
備考:ISTAをお持ちではない方は、EGRバルブをEGRクーラーに取り付ける際にはバルブ先端突きを防止するために、必ずモーター部を取り外して手動で傘を上げた状態で取り付けて下さい。(ココをご参照ください

とても綺麗なEGRバルブ取り付け部をとくとご覧あれ
Assembling cleaned EGR COOLER

EGRバルブモーターユニットを取り外します。T20×4本。(ガスケットがいい感じで本体に張り付いていたのでそのままとしています)
Inside of EGR Valve Unit


ギヤを回すと傘を上げることができます。フランジの2本のボルトを締め付けたら傘を着座させ、EGRモーターユニットを組み付けて完了となります。同じEGRバルブを組み付けるのであれば位置学習のリセットは必要ありません。このままボルトオンです。
Assembling EGR Valve Unit


ついでに、エンジンオイルとフィルターを交換しておきました。

・オイル: 日産純正Clean Diesel OIL 5W-30 C3

・オイルフィルター: BMW純正一択 部品番号11428507683

前回の交換が116,810km@2024年12月28日で、今回が118,816km@2025年5月4日ですので5か月2000kmでの交換となります。

Engine oil and oil filter


Dirty oil filter


作業完了・・・
The whole figure of engine room


試走後、何らエラーは立たず、EGRもまともに動作していることをBimmerlinkのRAM値で確認しました。そして何より極めて軽快に走るようになり、本来のポテンシャルを取り戻したようです。これで後4年は快調に乗れるでしょう。。


Bimmerlink's Screen of No errors


※後日追記:その後600kmほど走行しましたが、何ら問題なしで絶好調です


■ご参考まで

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